21歳のクリスマスイブ。夫婦喧嘩とパーティーバーレル。

年賀状の季節ににると、毎年思い出すエピソードがある。一人暮らしをはじめた1年目、当時21歳。家賃2万円の文化住宅に住んでいた。

文化住宅と言っても名ばかり。薄い土壁で、隣の声はまる聞こえ。おんぼろアパートだ。お隣さんは、60歳くらいの夫婦二人暮らし。そして、この夫婦が毎日、毎晩、大声で喧嘩をするのだ。

「また、カレーか!インド人かお前は!」は定番のフレーズ。週に一度は必ず出る。大体6時半に旦那さんが帰宅して、7時くらいから始まった。しかし、大きな笑い声が聞こえる日もあったので、本当は仲がいいのかも。

忘れもしないクリスマスイブの夜

いつものように、夫婦喧嘩が始まった。「わしの年賀状、書いたか?」「なんであんたの分まで書かなあかんの?」「お前、一日中家におるやろ!」「関係ない!あんたの親戚やろ!自分で書き!」「ケチやのー!優しないのー!」「あんたのほうこそ、優しさがない!」と今度は、お互いの親戚をバカにして、ケンカはエスカレートしていった。

壁に穴

今日はいつもより激しい。ドタバタと物音が加わり” ドシャ ” と鈍い音がした。隣接する壁に穴が空いたのだ。(元々ヒビが入っていた)一瞬、シーンとなった。大きさは拳くらいだったので、とっさにタオルで穴を塞いだ。まだ顔を見たことがないお隣さん。この後どうなるのか? 読みかけの本を手に、コーヒーを飲む。

ケンタッキーのパーティバーレル

しばらくして、玄関を軽く叩く音。意外に綺麗な奥さんが立っていた。「ごめんねー、うるさくして。ビール瓶投げやってん。これで堪忍してくれる。」と、ケンタッキーのパーティーバーレルを差し出した(夫婦でクリスマスイブを楽しむためだったのか?)。「いえいえ、結構です。でも、壁は何とかお願いしたいです、、、。」と丁寧にお断りした。

壁に穴は開いたが、やれやれ一件落着。と思いきや。また、続きが始まった。「年賀状は自分で書いてこそやろ!」奥さんから再開した。「アホかー!お前は字が上手いから言うてんのや!!頼むわー!!」「最初っから、そう言うてーやー!」

しばらく貯金して、ワンルームマンションに引っ越した。

幸せの形

60歳が ”射程距離に入った” と感じる今日この頃。毎日喧嘩は行き過ぎでも、” 幸せには色んな形がある ” と実感している。そして今年は、タオルで塞いだ壁の穴を思い出し、ヘーベルハウスにして良かったと、心から思った。

追記。基礎工事7日目。

朝7時、昨日までの進捗状況を見に行った。養生がしてあったので、よく分からない。1週間ほど乾かすので、打設作業を行った日のまま。なにも変わっていない。それでも、周囲のコンクリートが固まって土台らしくなっていた。意外に時間がかかる基礎工事。『基礎が大事』と、いうことか。

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