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義母のお泊まり「初日の出やで、お母さん」

大晦日の朝、義母を迎えに行く。義父が亡くなってから独居している義母は、認知症であっても家から離れたがらない。しかし、年末年始はデイサービスもヘルパーさんもお休み。この時期だけは我が家にお泊まり。

「お母さん、出かけるよー!」「はい、はい。ちょっとまってなー。」奥さんは、義母の枕元に置いてある物をカバンに詰め、身支度を手伝っている。「お義母さん。タクシーに乗るで、乗ったことある?」「ないわ、初めてやな。すぐ帰ってくる?」今日は帰ってこないと、薄々気付いているようだ。

老人との過ごし方

我が家にはテレビがない。何もすることがない老人と、どう過ごすか? はじめは戸惑ったが、今はそうでもない。昼食を済ませ、奥さんは義母をお風呂に入れ、身体を洗ってあげた。

「デイで、何時もどんなことしてるん?」「体操と、カラオケ。」知らないと答えると思ったら、義母は覚えていた。「カラオケはないから、体操する?」「今日はええわ。」

ピアノとお母さん

奥さんはピアノの練習をするため、部屋に入って行った。しばらくして「お母さんも、入ってくる?」それから4時間、奥さんはいつもの様にピアノを弾いた。そして時々、義母の歌声が聞こえ、楽しんでいるのが分かった。

暗くなり、夕食の支度に奥さんが出てきた。「お義母さん、面白かった?」「ピアノいいーわー。また、聴かせてな。」子供の頃からピアノを弾いていた奥さん。義母はきっと、その頃のことを思い出していたのだろう。

初日の出やで、お母さん

年越し蕎麦を食べながら、義母が話し出した。「今日はもう遅いから、泊まっていってな。」自分の家と思い込んでいる。義母が使っている布団は、私達と同じ(前記事参照)。そして、枕元には、奥さんが持ってきた自分の物が置いてあるからだ。自分の物とは、子供の頃の奥さんと妹の写真。それと、親鸞さまの絵本。

朝7時。初日の出を見るため、義母をベランダに連れだした。「初日の出やで、お母さん。」「ほんま、綺麗なー。明日も同じやったら、いいのに。」どう言う意味で言ったか分からない。それでも、私達の心は動いた。

工事中のヘーベルハウス。「誰が住むん?ここ」

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