庭にカボスの木がある。それは古家を取り壊し、更地として購入したこの土地に元々あった。他に、イチジクの木。私達の家はヘーベルハウスの中でも、珍しいほど小さい。新築工事をしても邪魔にならなかったから、残すことが出来たのだ。(過去記事参照)
入居して初めての夏、セミの声が自宅の庭から聞こえた。はじめは、どこからか飛んできて鳴いていると思っていたが、違った。セミはカボスとイチジクの木にいたのだ。
セミ先輩
セミは1〜2週間の寿命と言われるが、実は地中で数年生きている(7年の説もあるが不明)。昆虫の中でも長寿のいきもの。カボスとイチジクの木は、私達が住むずっと前からここにある。セミはその地中で、数年生きていたことになるのだ。
奥さん:「私達の先輩やなぁ。カボスもイチジクもセミも。」
私:「セミ先輩や。」
奥さん:「植えたばっかりのヤマボウシは7年後?」
私:「多分な。工事の時、地面を掘り返しているし。もし、生き残ってたら分からんけど。」恐らく、いない。
今の庭は以前、母屋があった。私達は小さい家を建てたから庭になっただけ。そのことを思い出した。
私達は"ゲスト"
庭に出て、カボスとイチジクの木を見る。工事期間中は元気がなかったが、今は活き活きしている。そして、葉っぱにしがみつくように、セミの抜け殻がいくつもあった。
私達は今年の春、ここに来た。
セミは数年前から、ここにいる。
カボスとイチジクはもっと前から、ここにいる。
私達は"ゲスト"なんだ。
と、思った。
先輩達に敬意を払って、
生きて行かなければ。
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