奥さんの運気を上げるための行動は、突然実行される。2つ日間の出張から帰ったある日のこと。クローゼットの雰囲気がガラッと変わっていた。元々服は少ないが、何となくすっきりして質感が上がっている。「分かるー？」「分からん。」奥さんは運気を上げる本とか、ポジティブ本が好きで、同調するとスイッチが入るようになっている。

「服、見てみー。」言われてやっと分かった。ハンガーが木製の物に代わっている。「どうしたん。いいなー、このハンガー。前はどんなんやったかな？」奥さんは自慢気に「前はクリーニングの時に付いてたやつやんか。」そうだ。プラスチックの黒いやつだった。

奥さんの解説では、クローゼットの中は運気を貯蓄する大切な場所。そこの質感が安っぽいのは良くないと言うのだ。理由はともかく、木製のハンガーは正解のような気がする。出張中に泊まったホテルは、クライアントが用意してくれた中々いいホテルだった。そのホテルのクローゼットと雰囲気が似ている。ハンガーを良いものにするだけで、自宅のクローゼットが変わると実感した。

「高かった？」「安かった。IKEAで買ってん。」「クリーニングのハンガーはどうしたん？」「全部、クリーニング屋に返した。」色んな店のハンガーがあったはず。「別に構わないって言ってた。」なら良しとしよう。

こうして、クリーニング屋の黒いハンガーは消えた。良質なハンガーにしてからは、いつもの同じ服が、テイラーっぽく見える。そして、毎日クローゼットを開けるたび、リッチな気分を味わえる。（言い過ぎ）運気を上げると言う事は、＂その気にさせる＂ことかも知れない。

IKEAサイトから転用

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