マンションを建てるのか？と、お思えるほど巨大な重機が、敷地内にそびえ立つ。4日間の杭打ち作業は今日で2日目。温泉か石油でも採掘しているようだ。
地盤調査の結果、地盤に一部弱い所がある為、通常より深く杭を打ち込む（地盤改良）ことになった。そうヘーベルハウス（ヘーベルＴ）から聞いたとき、費用が上がることだけが気にかかった。しかし、実際この作業を見ると ” 安過ぎないか？ “ と、思った。こんな小さな家にも関わらず、徹底した安全性能の確保。身体が熱くなる。
仕事前に立ち寄っただけなので、作業をずっと見てられない。監督さんに昨日のお礼を言い、少し見せて欲しいと頼んだ。「今日は基礎杭ではなく、地盤改良を行っています。このあと、一部軟弱な所だけ深く杭を打ちます。」監督さんは続けて「雛壇よりずっと深い所まで杭を打つので安全です。万が一、雛壇が水害で流されても、ヘーベルは残ります。」（実際に流され、高床式住居になった我が家を想像する。）恐ろしいほどの自信。監督さんは、甲子園球児のような瞳で重機を見つめ、淡々と話してくれた。
しばらくして、重機が止まった。「ちょっと見て来ます。」監督さんは重機に向かって歩いて行った。身体が一瞬、凍りついた。もしや、遺跡が出た？それとも大きな石？「大きな石や、異物が地中に埋まっていた場合、撤去と廃棄する費用がかかることがございます。その点は、ご了承下さい。」ヘーベルＴの言葉がぐるぐる回った。一体、いくらかかるのか？
少しして、真っ黒に日焼けした職人さんと監督さんが、私のところまで歩いて来た。ドキドキが加速する。「今から、お昼の休憩に行きますので、失礼します。」セーフ！「おつかれ様です。この道を上がった所に、ココイチがあります。ありがとうございました。」冷静を装うつもりで、変な返事をしてしまった。
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