匂いの元はイチジク

お盆が始まってすぐ、長期出張に出ていたのでブログを休んでいた。今日からやっと日常(?)に戻った。10日ぶりに帰った我が家、とにかく庭が気になる。

庭は雑草が生え放題。そして芝生は、暑さで枯れているところが目につく。9月になれば、芝生の種をまく予定。春に間に合わなかったところと、枯れしまったところに追いまきするのだ。頭の中は庭作りのことでいっぱいになっていた。

しばらく、早朝の涼しい風に吹かれていると、不思議な匂いに気づいた。甘い香りだ。それも、濃い。お隣さんが、変わったケーキでも焼いているのか?と思うほど濃厚な匂い。しかし、まだ朝の5時。鼻をクンクンさせながら匂いの元を探した。

匂いの元はイチジク

イチジクが実っていたのは確認していたが、まだ青かった。出張ですっかり忘れていたイチジクが、赤く熟していたのだ。

奥まったところにあるイチジクは、わざわざ覗かないと見えない。ひょっとして、猛烈な匂いを放ち、私を呼んだのかもしれない?

奥さん:「ピアノの部屋から見えてた。あなたが帰ったら摘んでもらおう思っててん。」

私:「とりあえず、写真写真!」

イチジクの写真を撮り、ハサミで2個摘んだ。冷蔵庫で冷やし、後で食べよう。

奥さん:「甘!美味しい!なんか不思議な味やけど。」

私:「この芳醇でありながら、まったりとして、アッサリした食感、そしてどことなく懐かしい、メロンとマロンとブドウとピーチをミックスしたような、、、」

奥さん:「早く食べなさい。」

私:「〇〇さんに持って行こうか?」

〇〇さんとは、この土地の元持ち主さんのこと。長年一緒に暮らしたイチジクの木(他にカボスの木もある)。更地にするとき、残してもらったのだ。(過去記事参照)

イチジクとカボスが実ったら、〇〇さんのお宅に持って行こうと決めていた。

今日の朝食はイチジクが1個。

他の何かを身体に入れたくなかった。

ずっと前から生きていたイチジク。

これからは私達と共に生きる。

イチジクは、それを約束してくれたのかもしれない。

奥さんはイチジクを手にして、涙を流している。

色んなことがありました。

でも、幸せ。

 

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